極秘の懐妊なのに、クールな敏腕CEOは激愛本能で絡めとる
 二葉が両手を口元に当てて思い出し笑いをしたとき、女性の楽しそうな声が聞こえてきた。
「あはは、二葉さんがこんなにおもしろい子だったなんて知らなかったわ」
 声の聞こえてきた方に顔を向けたら、廊下の奥の部屋から奈美が出てきたところだった。
 奈美はゆっくりと三人に近づいてくる。紺色のマタニティワンピースを着た彼女のお腹は、もうずいぶん大きくなっていた。
「こんにちは、二葉さん」
 奈美は二葉に笑いかけた。
「奈美さん、こんにちは」
 義姉の登場に、二葉は真面目な顔になってお辞儀をした。
「そんなに堅苦しくしなくて大丈夫よ。それより私、奏斗から聞いて、あなたたちの誤解が解けて本当によかったなって思ってたの。つわりはもう落ち着いた?」
「はい。あの、奏斗さんがたくさん気遣ってくれたおかげで」
「ふふふ、つわりでも食べやすい食事とか、いろいろアドバイスしてあげたのは私なのよ」
「えっ、そうだったんですか! ありがとうございます。じゃあ、サラダそうめんも……?」
 二葉が尋ねたら、奈美は笑みを大きくした。
「私が教えてあげたのはサラダうどんだけど。そうめんはあなたを訪ねる口実じゃないの?」
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