極秘の懐妊なのに、クールな敏腕CEOは激愛本能で絡めとる
 奏斗は椅子から立ち上がった二葉を見て、ハッと息を呑む。
「二葉……すごくきれいだ」
「奏斗さんこそ……すごくステキです」
 奏斗は二葉の両手を取った。見つめ合う二人をスタッフは微笑ましく見ていたが、やがて声をかける。
「お二人ともご準備ができましたので、チャペルに参りましょうか」
「よろしくお願いします」
 奏斗は右手に二葉の両親の写真を持ち、左手で二葉の右手を取った。
 スタッフに先導されて、ホテルの敷地内にあるチャペルに向かった。石畳の通路を歩いた先に、ヨーロッパの大聖堂を思わせるチャペルがある。夕焼けの空にすっと伸びた白い尖塔が美しい。
「では、まず祭壇の前でお撮りしましょうか」
 チャペルの横では、大きなカメラを持ったカメラマンとレフ板を持ったアシスタントが待っていた。二人とも女性だ。
 スタッフからかわいらしい白いバラのブーケを渡され、二葉はそれを持って奏斗と並んだ。
 チャペルの扉が開け放たれ、祭壇へとバージンロードが延びている。その壮麗な様子に、二葉はため息を零すばかりだ。
「本当にステキ……」
「二葉」
 奏斗は二葉に左腕を向けた。二葉はその腕に右手をかけると、彼にエスコートされながら祭壇へと進んだ。奏斗は両親の写真を一番前の参列席において、美しいステンドグラスと祭壇の前で二葉と向き合った。
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