極秘の懐妊なのに、クールな敏腕CEOは激愛本能で絡めとる
「それなら、俺も挨拶しよう」
 奏斗はそう言ってくれたが、いつも一方的なあの祖父のことだ。義兄の正輝のように理解してくれるとは思えない。
 二葉は首を横に振った。
「ううん。簡単に報告するだけだからいいよ」
「二葉がそう言うなら。でも、必要があったらいつでも話すから言ってくれ」
「ありがとう」
 食後のドリンクを飲み終えた頃、ワゴンを押したスタッフが現れて、食器やグラスを片づけてくれた。時計を見ると、時刻は午後九時過ぎだ。
「おばあちゃんに電話をかけるね」
 二葉は奏斗に断ってベッドルームに入った。キングサイズの大きなベッドに腰掛けて、緊張しながら祖母のスマホに電話をかけた。六回目のコール音が鳴り始めたとき、電話がつながった。
『……もしもし、二葉ちゃん?』
 少し抑えた祖母の声が聞こえてきた。祖父がそばにいて遠慮しているのだろうか。
「はい。こんばんは。今お電話大丈夫ですか?」
『少しなら』
 それなら手短に用件を伝えた方がいいだろう。
 そう思ってさっそく切り出す。
「今日はご報告があってお電話しました」
『報告?』
「はい。結婚しました」
『ええっ、結婚!? だ、誰が?』
 スピーカーから聞こえてくる祖母の声が跳ね上がった。
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