極秘の懐妊なのに、クールな敏腕CEOは激愛本能で絡めとる
「私です。今日、入籍しました」
『い、いったいどこの誰となの!?』
 直後、電話の向こうで祖母が『あっ』と声を上げたかと思うと、スピーカーから祖父の険しい声が聞こえてきた。
『二葉、いったいどういうことだ!?』
 祖父が祖母の手からスマホを取り上げたようだ。二葉はひるみそうになるのを、ぐっとこらえて答える。
「おばあちゃんに言った通りです」
『電話で報告とは薄情すぎるだろう』
「おじいちゃんに『二度と顔を見せるな』と言われましたから」
『そんな口答えをするとは。ろくな男と付き合っとらんのだろう。良隆も良隆ならおまえもおまえだな』
 二葉はいら立ち紛れにため息を吐いた。
「おじいちゃんはどうして私の気持ちを尊重してくれないんですか?」
『良隆のようになってほしくないからだ。良隆もわしが決めた相手と結婚しておったら、あんなことにはならなかったのだ! それなのに、勝手にあんな女と結婚したせいで――』
「お母さんのことをそんなふうに言わないでって、前にも言ったじゃないですか!」
 二葉は声を荒らげて祖父の言葉を遮った。目にじわっと涙が滲んで、電話を切ろうかと思ったとき、ベッドルームのドアがノックされた。
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