極秘の懐妊なのに、クールな敏腕CEOは激愛本能で絡めとる
 二葉の問いを聞いて、奏斗は日本国内の自然公園の名前を挙げた。そこの環境調査や保全計画の立案などを請け負っているのだという。
 ネットニュースで話題になっていたので、二葉も知っている大きな公園だった。二葉は驚きながらも素直に感心する。
「わぁ、それはすごいですね」
「すごい、とはどういう意味でしょうか?」
 奏斗の眉間にしわが寄り、口調が硬くなった。二葉は不思議に思いながら答える。
「あ、すみません。抽象的すぎましたよね」
 二葉は具体的にどんなふうに感動したのか伝えたくて、記事の内容を思い出しながら話を続ける。
「ネットニュースでその公園が紹介された記事を読んだことがあるんです。もともとの豊かな自然を守りながらも、ずっと愛され受け継がれていくために、子どもも大人も楽しく時間を過ごせる工夫がいっぱいされてますよね? 目先の利益ではなく、ちゃんと将来の利益を考えて整備されている。将来の利益って目に見えにくいから、広く理解してもらうのは、きっとものすごく大変だったはずです。あの公園は本当にすばらしいです! プロジェクト実施企業を紹介するリンクがあったんですが、クリックしなかったことが悔やまれます。きっとコティリードンへのリンクだったはずなのに!」
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