極秘の懐妊なのに、クールな敏腕CEOは激愛本能で絡めとる
楽しい気分だったところに、突如、喪失感が蘇った。その感情の落差に耐えきれなくて、二葉は唇を引き結んで視線を落とした。
二葉の表情を見て、奏斗は訝しげに問う。
「でも、今は翻訳者として仕事をしているんですよね? それなら夢は叶ったんじゃないんですか?」
「半分は叶ったと言えるかもしれません。でも、今仕事として依頼されるのは、海外の企業の広報とか、国際機関の報告書や研究論文の翻訳なんです。私はどうしても小説の翻訳がしたいんです。読者をドキドキワクワクさせてくれる外国の物語を、日本に紹介したい。そして、応援してくれてた両親に早くいい報告をしたいんです」
二葉の言葉を聞いて、奏斗は眉を曇らせた。
「応援してくれてた……?」
「あ」
二葉はスコーンを持っていた手を下ろして、小声で続ける。
「両親は……一年前、事故に巻き込まれて亡くなったんです」
二葉の言葉を聞いたとたん、奏斗の表情が歪んだ。
「……すみません。そうとは知らず、さっきはホームシックなどと、デリカシーのないことを」
奏斗の沈痛な面持ちを見て、二葉は慌てて首を横に振った。
「いいえ! 私の方こそ、雰囲気が暗くなるってわかってたのに、つい言ってしまって……」
二葉の表情を見て、奏斗は訝しげに問う。
「でも、今は翻訳者として仕事をしているんですよね? それなら夢は叶ったんじゃないんですか?」
「半分は叶ったと言えるかもしれません。でも、今仕事として依頼されるのは、海外の企業の広報とか、国際機関の報告書や研究論文の翻訳なんです。私はどうしても小説の翻訳がしたいんです。読者をドキドキワクワクさせてくれる外国の物語を、日本に紹介したい。そして、応援してくれてた両親に早くいい報告をしたいんです」
二葉の言葉を聞いて、奏斗は眉を曇らせた。
「応援してくれてた……?」
「あ」
二葉はスコーンを持っていた手を下ろして、小声で続ける。
「両親は……一年前、事故に巻き込まれて亡くなったんです」
二葉の言葉を聞いたとたん、奏斗の表情が歪んだ。
「……すみません。そうとは知らず、さっきはホームシックなどと、デリカシーのないことを」
奏斗の沈痛な面持ちを見て、二葉は慌てて首を横に振った。
「いいえ! 私の方こそ、雰囲気が暗くなるってわかってたのに、つい言ってしまって……」