極秘の懐妊なのに、クールな敏腕CEOは激愛本能で絡めとる
 そんなことを思ったとき、柔らかな肌に彼の温かな唇が触れた。
「あ……っ」
 チリッとした痛みが走って、視線を向けたら、胸元のほくろの隣に紅く小さな花が咲いていた。
「こんなところにほくろがあるんだ」
 奏斗が膨らみに唇を触れさせたまま言った。吐息が肌にかかって、その刺激に思わず体を震わせる。
「ん……っ」
「ここが弱いんだな」
 彼が小さく笑みを零し、肌にあちこち口づける。そのたびに甘く痺れるような快感が背筋を走る。
「あ……奏斗さんっ」
「二葉の心も体も全部もらうから」
 独占欲に満ちた彼の言葉に、目の奥がじんわりと熱くなった。
 こんなにも強く求められ、自分はもう一人じゃないんだという思いが強くなる。
 二葉は両手を伸ばして奏斗の首に絡ませた。
「二葉」
 奏斗が二葉を抱きしめる。彼のバスローブの胸元がいつの間にかはだけていて、二葉の柔らかな肌に彼の逞しい肌が重なった。吸いつくようにピタリと肌が触れ合い、腕や腰でもたつくバスローブの生地がひどく邪魔に感じる。まだ一つになれていないことがもどかしい。
「んぅ、奏斗さん」
 その気持ちのまま彼を呼んだら、奏斗の手がバスローブの下に潜り込み、お腹から太ももへとゆっくり滑り降りた。長い指先が脚のつけ根をなぞり、そのままするりと中へ侵入して、二葉はビクリと身を震わせた。
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