極秘の懐妊なのに、クールな敏腕CEOは激愛本能で絡めとる
 奏斗はハッとしたように動きを止めて、二葉をそっと抱きしめた。
「苦しい?」
「だ、大丈夫、です」
(初めてでもないのに……! こんな反応をしたら幻滅されちゃう……)
 その不安から二葉は表情を繕って首を小さく横に振った。
「我慢しないで。二葉が満たされないと俺も満たされない」
「そ……なんですか?」
「ああ。そうだよ」
 二葉が奏斗を見ると、彼はそっと二葉の頬を撫でた。それでも、彼は耐えるようにかすかに眉を寄せている。
「奏斗さんも……苦しいの?」
「苦しいけど、二葉の苦しさとは違う。俺はただ……二葉が欲しくてたまらないんだ」
 少しかすれた声で奏斗が言った。
 本当なら今すぐにでも動きたいだろうに、二葉を気遣ってくれているのだ。
(なんて優しい人なんだろう……!)
 そのことにたまらなく胸が熱くなった。
 好きな人と体を重ねる。その本当の意味がようやくわかった気がする。
「私も奏斗さんが欲しくてたまらないです」
 二葉は手を伸ばして、奏斗の張りのある頬にそっと触れた。
「二葉、好きだよ。大好きだ」
 奏斗は熱っぽい声で囁きながら、ゆっくりと腰を押しつけた。奥までぐっと貫かれて、全身に痺れるような快感が走る。
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