極秘の懐妊なのに、クールな敏腕CEOは激愛本能で絡めとる
「あ、あぁっ」
 中を深く埋められて苦しいぐらいなのに、胸の奥から熱いものが湧き上がって、全身を温かく満たしていく。
 奏斗がゆっくりと腰を動かし、二葉は彼の逞しい肩にすがりついた。愛おしさが募り、目の奥がじんわりと熱くなる。
 もう彼のことしか考えられない。
 身も心も一つになるとは、きっとこういうことを言うんだろう――。



 気づいたときには、部屋の中はすっかり明るくなっていた。
 昨夜は互いを求めるままに体を重ねた。お行儀が悪いと思いながらも、ベッドに座ってシャンパンを飲み、食べ物をつまんだ。そうしながらたくさんのことを打ち明けた。奏斗のこともいろいろ知った。
 彼は二葉の二つ年上の三十歳。大学卒業後、就職して三年働いたが、やりたいことと『ちょっと違う』と感じて会社を辞め、イギリスの大学院に留学した。そして、大学院卒業後にロンドンの環境コンサルティング会社で二年働いた。今の仕事ではそのときの経験が大いに役立っているそうだ。
 それから、過去のことだけでなく、これからやりたいことや夢を語り合った。そしてまた体を重ねて……心地よい疲労感に包まれて眠り、目覚めた今、全身が気だるい幸福感に包まれている。
 頭の下には逞しい腕があって、背後から奏斗に抱きしめられていた。
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