極秘の懐妊なのに、クールな敏腕ＣＥＯは激愛本能で絡めとる

　彼は『三ヵ月……離れていられる自信がない』と言っていた。
　でも、『二葉が連絡してくれるのを待ってる』と言ってくれたのだ。彼と別れてから一ヵ月しか経っていない。
（一ヵ月〝しか〟？　一ヵ月〝も〟？）
　考えれば考えるほど不安になってくる。
（奏斗さんに会いたい。声が聞きたい）
　スマホを握りしめた二葉は、ハッとした。
（そうだ。会社のホームページを見たら、もしかしたら奏斗さんが載ってるかもしれない）
　企業によっては会社案内などで、役職者以外にも一般社員のことを取り上げて紹介したり、ブログで日常の仕事風景を発信したりしていることもある。
　二葉はスマホの検索窓に〝二葉〟と打ち込もうとして手を止めた。奏斗の勤務先の正式な社名がわからない。
　彼は出張で英国に来ていて日本に戻ったのだから、勤務先は日本の企業のはずだが……。
（ひとまず〝Cotyledon Corporation〟で検索してみよう）
　彼にもらったエコバッグにプリントされていた文字を打ち込んで、検索ボタンをタップした。検索結果の一番上に〝コティリードン株式会社〟が表示される。会社概要をタップしたら、日本語の社名の下に英語名称として〝Cotyledon Corporation〟と書かれていた。
（ここだ！）
　奏斗に一歩近づけたのだとわかって、胸がドキドキする。