極秘の懐妊なのに、クールな敏腕CEOは激愛本能で絡めとる
(私は……本当のことを教えるほどの価値のある相手じゃなかったってこと……?)
異国の地で一夜を過ごすだけの相手。
そう考えていたのなら、本当のことを話さなくても当然かもしれない……。
(だけど、この子は産みたい)
二葉の目にじわっと涙が浮かんだとき、スマホが軽やかな電子音を鳴らした。ぼんやりしながら視線を向けたら、祖母からメッセージが届いている。
【二葉ちゃん、もう出発した? そろそろそちらを出ないと、面会時間に間に合わなくなってしまうかも】
メッセージの文字が涙で滲んで見えなくなる。
(そうだ。おばあちゃんに……同じ女性で唯一の身内のおばあちゃんに相談してみよう……)
二葉はふらりと立ち上がり、バッグを持って家を出た。
電車を乗り継ぎ、祖父が入院している滋賀県の病院の最寄り駅に到着したのは、その二時間後だった。駅前の洋菓子店で箱入りのフルーツゼリーを買って、滋賀県でも指折りの総合病院を目指す。五階建ての大きな建物に着き、入り口で案内図を見てエレベーターに乗った。入院病棟の受付で名前を記入して、祖母から聞いていた病室に向かう。
異国の地で一夜を過ごすだけの相手。
そう考えていたのなら、本当のことを話さなくても当然かもしれない……。
(だけど、この子は産みたい)
二葉の目にじわっと涙が浮かんだとき、スマホが軽やかな電子音を鳴らした。ぼんやりしながら視線を向けたら、祖母からメッセージが届いている。
【二葉ちゃん、もう出発した? そろそろそちらを出ないと、面会時間に間に合わなくなってしまうかも】
メッセージの文字が涙で滲んで見えなくなる。
(そうだ。おばあちゃんに……同じ女性で唯一の身内のおばあちゃんに相談してみよう……)
二葉はふらりと立ち上がり、バッグを持って家を出た。
電車を乗り継ぎ、祖父が入院している滋賀県の病院の最寄り駅に到着したのは、その二時間後だった。駅前の洋菓子店で箱入りのフルーツゼリーを買って、滋賀県でも指折りの総合病院を目指す。五階建ての大きな建物に着き、入り口で案内図を見てエレベーターに乗った。入院病棟の受付で名前を記入して、祖母から聞いていた病室に向かう。