ハイドアンドシーク
*
目を覚ますと部屋の灯りは消えていた。
いま何時なんだろう。
手探りでスマホを探すけどなかなか見つからない。
焦れてむくりと起きあがれば、キャミソールの紐が肩からずり落ちていた。
「あれ……上、いつ脱いだんだっけ」
それを直しながら記憶の糸をたぐる。
部屋に帰ってきて、東雲さんと話してて、ベッドで横になって……そしたら急に、身体が熱くなって。
目をあけて、東雲さんがいて、それから……。
どうしてもそこから先が思い出せない。
なにか、してしまったんじゃないか。
そう思うと不安に駆られ、もはや癖のようにその姿を探す。
……いた。いてくれた。
考えるより先に隣のベッドに潜り込むと、薄闇でも眉をひそめたのがわかった。