ハイドアンドシーク




目を覚ますと部屋の灯りは消えていた。

いま何時なんだろう。


手探りでスマホを探すけどなかなか見つからない。

焦れてむくりと起きあがれば、キャミソールの紐が肩からずり落ちていた。



「あれ……上、いつ脱いだんだっけ」


それを直しながら記憶の糸をたぐる。

部屋に帰ってきて、東雲さんと話してて、ベッドで横になって……そしたら急に、身体が熱くなって。

目をあけて、東雲さんがいて、それから……。


どうしてもそこから先が思い出せない。


なにか、してしまったんじゃないか。

そう思うと不安に駆られ、もはや癖のようにその姿を探す。



……いた。いてくれた。


考えるより先に隣のベッドに潜り込むと、薄闇でも眉をひそめたのがわかった。


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