ハイドアンドシーク


「ん……」



きゅう、と言葉のとおり胸が締まる。

テーピングが上手いだけあって、初めてとは思えないほど東雲さんは手慣れていた。


よかった。

これなら早く終わりそうだと安心すると同時に、




「んっ、ん……ぅ」


どうしても声が出てしまうことに内心焦っていた。

何度目かの声が漏れたとき、さすがの東雲さんもスルーできなくなったのか、とうとう手を止めた。


気まずい静寂。 のち、




「……喘ぐなよ」

「ぃやあああ、し、仕方ないでしょ引っぱられるんだもん!強く引っぱられたらそりゃ声だって出ますよ……」


というか喘いでないし。

ちょっと声出ちゃっただけだし。


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