好き勝手されるのは癪なので、貴様らは絶対に許しません ~という令嬢の報復~

第3話

「さようなら、我が生家」

 長年過ごしたこの屋敷。
 これで離れると思うと、やっぱり寂しいものがありま……。

 やっぱやめよう、この口調向いてないわ。
 せっかく家を出たんだからもう、お嬢様らしい喋り方とかやってらんないわ。
 ああ、凝った凝った肩が凝った。
 心なしか腰も痛い気がする。
 やっぱり心の不調は体に出るもんなんだなあ。

 さあて、どこさ行きますかねえ?

「ちょっとお待ちなさい」

「ん?」

 屋敷に背を向けて、さあ旅立ちとなったところで。まさかの全くかけられた。
 一体誰なんだと思ったけれども、この声の主は
 振り返りざまやはりと思った

「お母様。……あっ」

「お母様ですって?」

 この屋敷の当主の夫人である、ベレテレスティ・ランブレッタ様。
 詰まるところ私の義母。いや、元義母である。
 齢四十を超えているにも拘らず、その若さにイマイチ衰えが見えない。
 どんな健康法を行なっているのだろうか? ふと思った。

 それはさておき、つい癖でまたお母様と読んでしまった。

 元義母が、額にしわを寄せながら私に距離を詰めてくる。
 そうして飛び出してくるのはきっといつものセリフだろう。
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