辺境の貧乏令嬢ですが、次期国王の王妃候補に選ばれてしまいました

「私、殿下のお妃候補に推薦されたらしいわ」

 再びヒューイがクルルと喉を鳴らす。

「……急な話でびっくりしたけど、結婚についてなら、これまでに考えなかったわけじゃないのよ」

 父にも兄にも言えないつぶやきをこぼし、リティは大きく深呼吸をする。

(クアトリーの人たちは中央から遠すぎて、いつもぎりぎりの生活を強いられている。うちだって一応貴族なのに使用人は三人しかいないし、ご飯も一日二食で干し肉か魚のスープがほとんど。野菜や果物は滅多に食べられないし、ゆっくり娯楽を楽しむ暇もない。だってぼんやりしていたら、ここでは凍ってしまうから)

 冷たい風が吹きつけ、ヒューイが翼を広げる。

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