辺境の貧乏令嬢ですが、次期国王の王妃候補に選ばれてしまいました
「ま、そうじゃないことを願いたいよね。こんな危なっかしい場所じゃ、妃決めどころじゃないもん。殿下より先に、助けてくれた騎士に恋しちゃいそうじゃない?」

 空気の重さを気にしたのか、話を振った張本人のニナが茶化す。

「そうなったら辞退しなきゃ。騎士様と結婚しますって」

 リティもニナに乗っかった。

 七色の瞳に浮かぶ灰色を見て、ニナが『ほかの候補者を害そうとする候補者がいる』という考えを信じていることに気がついたからだった。

「……くだらないわ。三文小説の読みすぎではなくて?」

 先ほどの弱々しさを消し去り、デルフィーヌがいつもの調子で鼻を鳴らす。

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