辺境の貧乏令嬢ですが、次期国王の王妃候補に選ばれてしまいました
「あ、デルフィーヌもそういう小説を読むんだー。おすすめは? 妖精(イリゼ)が出てくる作品はある?」

「わたくしが知るわけないじゃないの」

 重苦しい空気が消えたのを感じ、リティはベッドから抜け出た。

「まだ寝てたほうがいいんじゃない?」

「そうよ、無理をすべきではないわ。また迷惑をかけるつもり?」

「エリーズを探しに行こうと思ったの」

 リティは身だしなみを整え、髪を軽く手櫛で梳く。

「ちゃんと話せなかったままだから。それに心配だし……」

「言ったところで、なにも変わらないわよ」

 デルフィーヌの言葉はこれまで通りきつかったが、リティはあまり気にしなかった。

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