【書籍化】もふもふ聖獣と今度こそ幸せになりたいのに、私を殺した王太子が溺愛MAXで迫ってきます
* * *
「───いやぁあぁあぁっ!」
ベッドから飛び起きて、フランチェスカは胸元を押さえた。
全身に汗をびっしょりとかいてベッタリと皮膚に衣服が張りついていた。
ガタガタと震える体を押さえながら自分の手のひらを見る。
真っ黒な煙に覆われていた肌が嘘みたいに綺麗な肌色に戻っていた。
(あれは何? 夢、だったの……?)
フランチェスカはベッドから起き上がってから記憶を頼りに鏡の前に向かった。恐る恐る鏡を覗き込むと、そこには子供になった自分の姿があった。
「え……?」
思わず両手を頬に手を伸ばした。そのまま数秒固まっていたフランチェスカだったが、頬を引っ張ると確かに痛みを感じる。
ミルクティー色の髪とローズピンク色の瞳は確かにフランチェスカのものだった。
しかし明らかに幼く小さくなっている。
(私はもう十六歳の誕生日を迎えたはずでしょう?)
鏡の中の自分と目を合わせながら呆然としていたフランチェスカだったが、いくら頬をつねっても目を閉じても夢から醒めることはなかった。
けれど記憶の中ではハッキリと残っている。
(シュネーはどうなってしまったの?私は……レオナルド殿下に剣で斬られて死んだはず。それなのに、まさか……時が戻ったというの?)
フランチェスカは震える体を抱きしめてから、混乱する頭で考えていた。そして記憶を整理していた。