【書籍化】もふもふ聖獣と今度こそ幸せになりたいのに、私を殺した王太子が溺愛MAXで迫ってきます

* * *



『……ありがとう、フランチェスカ嬢』
レオナルドの優しい声が耳に届いたような気がした。


「───っ!?」


フランチェスカが勢いよく体を起こす。
辺りを見回しても当然ではあるがレオナルドの姿はない。

(今、レオナルド殿下の声が聞こえた気がしたけど、気のせいよね……?)

フランチェスカは自分を納得させるように頷いた。
レオナルドは舞踏会で今頃、令嬢達と踊っている頃だろうと。ここにいるはずがないかのだ。
どのくらい眠ってしまったのだろうか。
グレイシャーに御礼を言ってからフランチェスカは立ち上がって、ドレスについた汚れを払い落としていた。
少し離れた場所がザワザワと騒がしい。

もしかしたらパーティーが終わってしまったのかもと思い、フランチェスカは慌ててシュネーを探していた。
シュネーはグレイシャーの白銀の毛の中に埋もれている。
グレイシャーはフランチェスカを心配するようにこちらを見つめている。
フランチェスカは先程よりもずっと元気になったグレイシャーを見て嬉しくなり首元に抱きついた。

(グレイシャー、よかった。あと数回治療しなければならないけど、どうしましょう)
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