【書籍化】もふもふ聖獣と今度こそ幸せになりたいのに、私を殺した王太子が溺愛MAXで迫ってきます

他の貴族の聖獣よりも力も弱いけれど、両親はそれはもう二匹を大切にしていた。
そんな両親に愛されて育ったフランチェスカは真っ直ぐで素直な子供だったと思う。
フランチェスカは十歳の誕生日を迎え、城で聖獣と契約する〝契約の儀〟を行うため父と二人で王都に向かった。
無邪気に城に行けることを楽しみにしていたフランチェスカは変わる景色を眺めながら不安と期待に胸を躍らせていた。


「わたくしもお父様やお母様みたいな聖獣と契約できるといいな」

「フランチェスカならば大丈夫さ」


初めての王都に聳え立つ城はフランチェスカにとっては輝いてみえた。
フランチェスカはお茶会デビューもまだで貴族の令嬢というよりは平民に近い生活をしていた。
男爵家の中でも聖獣の力が弱く、エディマーレ男爵は人がいいこともあり騙されて領地も狭くなっていき、農作物にも恵まれずかなり貧乏な生活だった。

フランチェスカは自分が貴族という自覚もほとんどなく、友達も平民で小さな村の子供達と山を駆け回って遊んでいた。今回、お洒落をして出かけられることが初めてで契約の儀を行うまでは興奮しっぱなしだ。
会場に着くとフランチェスカはすぐに自分が浮いていることに気づいた。他の令嬢達と比べてその差は歴然。
母のドレスをリメイクしてもらいリボンをつけてもらっていた幼いフランチェスカとは違い、同じ年とは思えないくらい大人びた令嬢達を見て気後れする。
< 12 / 235 >

この作品をシェア

pagetop