【書籍化】もふもふ聖獣と今度こそ幸せになりたいのに、私を殺した王太子が溺愛MAXで迫ってきます
「ねぇ、あなたに聞きたいことがあるのだけど……」


キャシディのまとう雰囲気が変わった気がした。
一瞬だけ瞳が赤くなったような気がしたが、キャシディは俯いてマレーを撫でている。
妙な圧迫感を感じながらもフランチェスカは微笑みを崩さなかった。


「エディマーレ男爵領にコルビン殿下が行ったというのは事実なのかしら?」

「……え?」


エディマーレ男爵邸に滞在したのはコルビンだけということになっている。グレイシャーとレオナルドが滞在したとなれば他の貴族達に不平不満が出るからだ。


「はい、コルビン殿下は弟のマラキと仲がいいみたいですよ。マラキの聖獣、ベネットを気に入っているようでして」

「……ふーん」


キャシディの含みのある返事を聞いてフランチェスカは笑みを浮かべながらも内心、冷や冷やしていた。


「それが……何か?」

「エディマーレ男爵領の噂とグレイシャー様の体調が良くなった時期が重なっているでしょう?もしかしたらコルビン殿下と共にグレイシャー様もエディマーレ男爵領に言ったのではないかと思ったのよ」


キャシディの唇の口角は上がっているが、睨みつけるようにこちらを見ていることに気づく。
ここで動揺しては怪しまれると思ったフランチェスカは表情を繕いながらも口を開いた。
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