【書籍化】もふもふ聖獣と今度こそ幸せになりたいのに、私を殺した王太子が溺愛MAXで迫ってきます
そしてこの一カ月、城に滞在中に一度だけ、レオナルドと共にダンスを踊ったことがある。
レオナルドもフランチェスカが慣れた様子で踊っているのを見て「一体、誰と踊ってこんなにうまくなった?」と嫉妬されて問い詰められた。

今回、踊る必要はないのだが、状況によってはふたりで踊ることになるだろうと思い、少しだけ復習しておいてよかったと思った。
フロアでは音楽に合わせてフランチェスカのドレスが花開くように舞っていた。
それにはフランチェスカを馬鹿にしようと集まっていた貴族達も感嘆の声を上げた。


「ほほう、素晴らしい。息がピッタリですな……!」

「レオナルド殿下も素敵だけれどラン様のダンスも美しいわ」

「綺麗……!おふたりとも幸せそう」


ダンスが終わると会場からは盛大な拍手が巻き起こる。
レオナルドとフランチェスカは密着したままキャシディの元へと向かう。


「これで不満は消えたかな?俺達のことを認めてくれると嬉しい」


フランチェスカもキャシディ達の前でカテーシーを披露する。更に湧き上がる拍手。
すっかりとこちらのペースだが、ギリギリと音が鳴るほどに歯を食いしばっているキャシディは笑顔を作る余裕すらないようだ。
レオナルドがフランチェスカの耳元で「グレイシャーの元に戻ろう」と言って腰を抱く。
キャシディに背を向けようとした時だった。
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