【書籍化】もふもふ聖獣と今度こそ幸せになりたいのに、私を殺した王太子が溺愛MAXで迫ってきます
フランチェスカの視界に真っ暗な影がかかる。
目の前に大きくて鋭い牙が見えた瞬間、フランチェスカはシュネーとグレイシャーを守るように身を乗り出した。
(絶対に守るって約束したもの……!)
痛みを覚悟してフランチェスカは目を閉じた。
しかしいくら待っても痛みはない。
フランチェスカがゆっくりと瞼を開けた時だった。
マレーの牙がレオナルドの腹部に刺さっているのが見えた。そしてレオナルドが持っていた剣がマレーの顔を貫いていた。
「……レオナルド、殿下?」
ダラリと腕が垂れるのと同時にカランカランと音を立ててレオナルドが持っていた剣が床に落ちた。
マレーがサラサラと金色の光とになって消えていく。
『ワレハフタタビヨミガエル……マタアオウ』
牙が消えてなくなるのと同時にレオナルドの体が倒れ込む。不気味な笑い声と共にマレーは消えていった。
フランチェスカはレオナルドを支えたが、重みに耐えきれずに倒れてしまう。
「ぁ……いやっ、どうして」
フランチェスカは大きく首を横に振る。
レオナルドが咳き込むのと同時に口端から血が伝う。
フランチェスカは手のひらで腹部を押さえた。
フランチェスカの頬には涙が伝う。