【書籍化】もふもふ聖獣と今度こそ幸せになりたいのに、私を殺した王太子が溺愛MAXで迫ってきます
それにフランチェスカは疑問があった。
グレイシャーはキャシディと一緒にいる時には絶対に姿を現さない。

(キャシディ様とレオナルド殿下は幼馴染よね?でも婚約しなかったのはグレイシャーがキャシディ様に近づかないからなのかしら)

グレイシャーはフランチェスカの前では顔を舐めたり触れたり安心したように体を預けてくれる。
そしてキャシディもグレイシャーの話をするのを嫌がって名前を出すとすぐに不機嫌になってしまう。

キャシディに毎回、言われる言葉があった。
今日も令嬢達から立ち振る舞いを馬鹿にされて落ち込んでいた時だった。


「あなたは弱いから皆に馬鹿にされるのよ。付け入る隙を与えたらダメ」

「え……?」

「もっと豪華に着飾らなきゃ。やられたら同じようにやり返さなきゃ。そのくらい強くならなければレオナルド殿下にふさわしいとはいえないわ」


キャシディの『レオナルド殿下に相応しくない』という言葉は容赦なくフランチェスカの心を抉った。


「このままだと彼に迷惑がかかるわ。愛想を尽かされるのも時間の問題ね」

「……で、でも」

「ほら、また動揺している。あなたは幼い頃から社交界に出ていないからわからないかもしれないけれど、武器を持たずに戦うことなんてできないのよ」
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