【書籍化】もふもふ聖獣と今度こそ幸せになりたいのに、私を殺した王太子が溺愛MAXで迫ってきます
「フランチェスカ、準備はできたか?おや、まだ着替えてもないじゃないか」
「おとう、さま……?」
「どうしたんだ……おっと!」
フランチェスカは父に突撃するように抱きついてから、声を出して泣いた。
懐かしい匂いと感覚にフランチェスカは涙が止まらなかった。
戸惑う父に背を摩られていると、母がフランチェスカの泣き声が聞こえたのか心配そうに駆け寄ってくる。
それを見てフランチェスカはさらに涙が込み上げてくる。
二人は娘が噂で悪女と呼ばれているのを聞いてどう思ったのだろうか。
シュネーが魔獣になったと知って悲しんだだろうか。
母はフランチェスカの鼻水と涙を何度も何度も拭いながら、困惑した様子で父と話している。
「フランチェスカ、大丈夫?こんなに泣いてどうしてしまったの?」
「昨日はあんなに楽しみだと言っていたのに……。仕方ないから今日はやめておこう」
「でもあなた、十歳で契約の儀に行くことは貴族としての義務よ?」
「だがフランチェスカがこの調子だろう?心配なんだ」
「そうね……。フランチェスカ、もしかしてドレスが気に入らなかった?やっぱり新しく買い直した方がよかったのかしら」