【書籍化】もふもふ聖獣と今度こそ幸せになりたいのに、私を殺した王太子が溺愛MAXで迫ってきます
「僕は黙っているから、姉上も本当にバレたくないなら情に動かされて簡単に力を使ったらだめだよ?」

「は、はい!」

「シュネー、姉上が危険な目にあったら守ってあげてね」


マラキがそう言うとシュネーは動きを止めてマラキの膝の上に行くと嬉しそうに顔を舐めていた。マラキはシュネーを落ち着かせようと頑張っているが、シュネーの勢いは止まらない。
フランチェスカが止めるまで、シュネーの猛攻は続いたのだった。

マラキは少し休むということで、フランチェスカはシュネーを連れて部屋を出た。
フランチェスカはシュネーを連れて中庭へと向かった。
木の椅子に腰掛けると、シュネーは椅子から飛び降りて花や草の匂いを嗅ぎながら忙しそうにしている。
意味もなくグルグルと庭を駆け回っている元気なシュネーをみているとフランチェスカは嬉しくなる。
青空と自然に囲まれたエディマーレ男爵邸を見ながらフランチェスカはこれからの人生について考えていた。

エディマーレ男爵家にはマラキという立派な後継ぎがいる以上、フランチェスカは結婚をして家を出て行くことになる。
今まで出会ってきた令息達を思い出しては溜息を吐いた。
レオナルド以上に素晴らしい男性と出会える気がしなかったからだ。
文武両道、眉目秀麗、謹厳実直で非の打ち所がない。
いつもフランチェスカを気遣い守ろうとしてくれた。
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