【書籍化】もふもふ聖獣と今度こそ幸せになりたいのに、私を殺した王太子が溺愛MAXで迫ってきます
最後はあんな形になり、フランチェスカは命を落としてしまったけれどレオナルドが豹変したことも、フランチェスカに何を伝えたかったのも気になっていた。彼のはじめて見る涙の意味を考えてしまう。

これからの未来に不安がないといったら嘘になる。
シュネーのこともマラキにバレてしまったし、これから病に苦しんで怪我をして困っている人を見ても力になることができない。
今からそんな心苦しさと戦っていかなければならないと思うとフランチェスカは気が重かった。

以前のように振る舞えばシュネーの幸せを犠牲にすることになる。
今度こそ大切にすると約束したシュネーをあんなに苦しめて悲しませることは二度としたくないと思った。


「ねぇ、シュネー。シュネーはどうして私を選んでくれたの?」


『ワンッ』と元気よく鳴いたシュネーはフランチェスカの足元に飛び込んでくる。シュネーを受け止めたフランチェスカは顔を擦り寄せると太陽の匂いがした。
「シュネー、大好きよ」
これから新しいフランチェスカの人生が始まる。フランチェスカはシュネーを抱きしめながら目を閉じた。
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