【書籍化】もふもふ聖獣と今度こそ幸せになりたいのに、私を殺した王太子が溺愛MAXで迫ってきます
明らかにレオナルドの様子がおかしいことに気づく。
グレイシャーが無理矢理騎士達によって押さえつけられているのに何も言わない。
赤い瞳は焦点が合っておらず、どこを見ているかわからない。

(瞳の色が変わっている。レオナルド殿下はどうしてしまったの?)

フランチェスカは戸惑っていたが、シュネーを抑えるのに必死でレオナルドにまで気が回らない。
チラリと視線を送るとキャシディは当たり前のようにレオナルドと腕を組んで何かを耳元で囁いている。
フランチェスカは嫌な予感がしたが、その前にレオナルドは静かに唇を開いた。


「悪女を……排除する」

「そうですわ! 皆様、見てください。レオナルド殿下の洗脳が解けました」


キャシディの声に一際、大きな歓声が上がった。
フ聖獣だったシュネーを庇うようにして手を広げた。


「魔獣は……殺す」

「やめてくださいっ、こんなの嘘よ……! レオナルド殿下!」

レオナルドの言葉にキャシディの唇が大きく歪む。
その後もレオナルドは「悪女を排除する」「魔獣は殺す」と、譫言のように繰り返し呟いている。
そうなってしまった理由もわからないまま、レオナルドは腰にある剣を抜いて、フランチェスカに突きつけている。
しかし剣先はガクガクと震えている。
まるで何かに抗っているように見えた。
< 7 / 235 >

この作品をシェア

pagetop