一つの夜が紡ぐ運命の恋物語を、あなたと
「ねえ、ママ。大智と姉弟なのは、私、前から知ってた。大智も……だよね?」
立ち尽くしたまま美礼は言うと、自分に顔を向ける。そしてそれに黙って頷いた。母は驚いた表情で顔を上げ「どうして……」と声を出す。まさか知っていたとは思ってなかったのだろう。
「高校に入学したばかりのころ、父さんが教えてくれた。美礼を守ってやってくれって」
母は俯くと「そう……」と小さく発した。そして、一瞬訪れた静寂を破ったのは美礼だった。
「でも……。それだけじゃないよね。隠してること」
いつも明るい美礼が初めて見せる険しい顔。それに肩を揺らしたのは美礼の母だった。彼女と母は顔を見合わせ、観念したような表情で母は頷いた。
「本当のこと、話しましょう? もう美礼ちゃんも他人事ではいられない。事情を知っておいたほうがいいわ」
諭すように言いながら、母は暗い表情の彼女の背中を摩った。
「でも……」
「大丈夫。きっと礼志さんもわかってくれるから」
意思を確認し合うと、二人は堅い表情のままの自分たちに向いた。
「場所を変えましょうか。礼志さんの前で話すことじゃないわ」
そう母に促され控室に移動する。四人だけになると母はまず、自分たちの出会いを語り始めた。
立ち尽くしたまま美礼は言うと、自分に顔を向ける。そしてそれに黙って頷いた。母は驚いた表情で顔を上げ「どうして……」と声を出す。まさか知っていたとは思ってなかったのだろう。
「高校に入学したばかりのころ、父さんが教えてくれた。美礼を守ってやってくれって」
母は俯くと「そう……」と小さく発した。そして、一瞬訪れた静寂を破ったのは美礼だった。
「でも……。それだけじゃないよね。隠してること」
いつも明るい美礼が初めて見せる険しい顔。それに肩を揺らしたのは美礼の母だった。彼女と母は顔を見合わせ、観念したような表情で母は頷いた。
「本当のこと、話しましょう? もう美礼ちゃんも他人事ではいられない。事情を知っておいたほうがいいわ」
諭すように言いながら、母は暗い表情の彼女の背中を摩った。
「でも……」
「大丈夫。きっと礼志さんもわかってくれるから」
意思を確認し合うと、二人は堅い表情のままの自分たちに向いた。
「場所を変えましょうか。礼志さんの前で話すことじゃないわ」
そう母に促され控室に移動する。四人だけになると母はまず、自分たちの出会いを語り始めた。