一つの夜が紡ぐ運命の恋物語を、あなたと
二人は自分たちが生まれる前、峰永会に勤務していた。母は事務、美礼の母は看護師として。年も一つ違いで、母が結婚する前からの友人だったらしい。そしてその頃、父も新人の医師として同じ病院に勤めていた。
そこまではすぐに察しがついた。美礼の母が看護師なのは知っていたし、接点があるならそうなるだろうと。けれど、腑に落ちないことはたくさんあった。
先に生まれたのは美礼だ。その頃の両親は、結婚して一年も経っていない。父はそんなときに美礼の母とも交際していたのだろうか。いや、違う。父が美礼を守ってやってと言ったあの日、一つだけ引っかかることを口にしていた。
『戸籍上では姉にあたる――』
"戸籍上では"、この言葉にずっと違和感を感じていた。
そして母は、その違和感の正体を洗いざらい自分たちに話して聞かせた。
「じゃあ……。ママが何度も働く病院を変わったのも、引越しを繰り返したのも、それが原因なの……?」
美礼は呆然とした様子で自分の母に尋ねた。
「そう。ずっと恨まれてたから。今もきっと。私をクビにするくらい、あの人には簡単なのよ」
まともじゃない。
話しを聞き真っ先に浮かんだのは、そんな言葉だった。
そこまではすぐに察しがついた。美礼の母が看護師なのは知っていたし、接点があるならそうなるだろうと。けれど、腑に落ちないことはたくさんあった。
先に生まれたのは美礼だ。その頃の両親は、結婚して一年も経っていない。父はそんなときに美礼の母とも交際していたのだろうか。いや、違う。父が美礼を守ってやってと言ったあの日、一つだけ引っかかることを口にしていた。
『戸籍上では姉にあたる――』
"戸籍上では"、この言葉にずっと違和感を感じていた。
そして母は、その違和感の正体を洗いざらい自分たちに話して聞かせた。
「じゃあ……。ママが何度も働く病院を変わったのも、引越しを繰り返したのも、それが原因なの……?」
美礼は呆然とした様子で自分の母に尋ねた。
「そう。ずっと恨まれてたから。今もきっと。私をクビにするくらい、あの人には簡単なのよ」
まともじゃない。
話しを聞き真っ先に浮かんだのは、そんな言葉だった。