一つの夜が紡ぐ運命の恋物語を、あなたと
峰永会の病院に着き、休日診療の入り口に向かうと、もう祖母は建物の中に運び込まれていた。
「由紀子さん! 咲子さんの様子は?」
救急受け入れの待合のソファに座る叔母に呼びかけると、血の気の引いた白い顔で見上げた。
「悌志さんが今、診察してます。お義母さまは前々から、心臓があまり良くなくて……。こんなことになるなんて……」
震える声で叔母が言う言葉を呆然と聞く。心臓が悪いなんて全く知らなかった。誰もそんなことを自分に教えてくれなかった。わざわざ伝える必要はないと、思われていたのだろうかと愕然とした。
処置室の扉が開くと出てきたのは叔父だった。
「今から緊急手術になりそうだ。難しいものではないから安心してくれ」
「……良かった……」
ホッとしたように呟いたのは叔母だ。決して良好とは思えない関係なのに、それでも祖母のことを案じている叔母はできた人だと思う。
自分は果たしてどうなんだろうか。
複雑な心境のまま、また処置室に戻る叔父の背中を見送った。
「私は入院の準備をしに帰ります。大智さんはどうしますか?」
叔母に声をかけられ、ようやく我に返った。自分が送ればいい話だが、思いの外手が震えていることに気づく。とても運転できそうになかった。
「僕は……。このまま残ります」
そう小さく発した声も震えていた。
「由紀子さん! 咲子さんの様子は?」
救急受け入れの待合のソファに座る叔母に呼びかけると、血の気の引いた白い顔で見上げた。
「悌志さんが今、診察してます。お義母さまは前々から、心臓があまり良くなくて……。こんなことになるなんて……」
震える声で叔母が言う言葉を呆然と聞く。心臓が悪いなんて全く知らなかった。誰もそんなことを自分に教えてくれなかった。わざわざ伝える必要はないと、思われていたのだろうかと愕然とした。
処置室の扉が開くと出てきたのは叔父だった。
「今から緊急手術になりそうだ。難しいものではないから安心してくれ」
「……良かった……」
ホッとしたように呟いたのは叔母だ。決して良好とは思えない関係なのに、それでも祖母のことを案じている叔母はできた人だと思う。
自分は果たしてどうなんだろうか。
複雑な心境のまま、また処置室に戻る叔父の背中を見送った。
「私は入院の準備をしに帰ります。大智さんはどうしますか?」
叔母に声をかけられ、ようやく我に返った。自分が送ればいい話だが、思いの外手が震えていることに気づく。とても運転できそうになかった。
「僕は……。このまま残ります」
そう小さく発した声も震えていた。