一つの夜が紡ぐ運命の恋物語を、あなたと
画面の中で、彼女は明るく絵本を読んで聞かせていた。保育士という仕事を誇りに思っているだろう彼女の、想像した通りの姿。優しいその声色に、子どもたちは目を輝かせていた。
「ねぇ、大智。彼女が……同じビル内で働いてたって知ってた?」
全く知らなかった。会いたいと願った彼女が、すぐそばにいたことを。
画面を見つめたまま小さく首を振る。美礼は自分の横顔を見つめ「そう」と呟いた。
「もし……これを、放送されてすぐ見てたら、彼女に会いに行った?」
知っている人としか言っていないが、美礼は気づいているのだろう。自分の中で、彼女がただの知り合いだけではないことを。
「そう……だな……。きっと…
…」
会いに行ったと思う。何度すれ違っても、それでも会いたいと足掻いたはずだ。
(あの加害者の気持ちが、今ならわかるな)
自虐的に口元を緩める。
自分に付き纏うあの人に、付き纏っていた加害者。その理由を若木先生から聞いていた。
『ある日突然、理由もなく別れを告げられて、そっから音信不通。そりゃ、理由の一つも聞きたくなるよな。それで待ち伏せしてたんだと』
理由を聞きたい。ただそれだけだ。もし、もう彼女の心の中に別の誰かがいるのなら、この燻り続けた気持ちを消すことができる。例え凍えることになったとしても。
「あのね、大智。ここからは私のおせっかい。迷惑かも知れないけど……」
美礼はそう前置きをすると、ゆっくりこちらに顔を向ける。そして、自分を真っ直ぐに見つめ言った。
「明後日の土曜、彼女を家に呼んだから。会ってくれない?」
「ねぇ、大智。彼女が……同じビル内で働いてたって知ってた?」
全く知らなかった。会いたいと願った彼女が、すぐそばにいたことを。
画面を見つめたまま小さく首を振る。美礼は自分の横顔を見つめ「そう」と呟いた。
「もし……これを、放送されてすぐ見てたら、彼女に会いに行った?」
知っている人としか言っていないが、美礼は気づいているのだろう。自分の中で、彼女がただの知り合いだけではないことを。
「そう……だな……。きっと…
…」
会いに行ったと思う。何度すれ違っても、それでも会いたいと足掻いたはずだ。
(あの加害者の気持ちが、今ならわかるな)
自虐的に口元を緩める。
自分に付き纏うあの人に、付き纏っていた加害者。その理由を若木先生から聞いていた。
『ある日突然、理由もなく別れを告げられて、そっから音信不通。そりゃ、理由の一つも聞きたくなるよな。それで待ち伏せしてたんだと』
理由を聞きたい。ただそれだけだ。もし、もう彼女の心の中に別の誰かがいるのなら、この燻り続けた気持ちを消すことができる。例え凍えることになったとしても。
「あのね、大智。ここからは私のおせっかい。迷惑かも知れないけど……」
美礼はそう前置きをすると、ゆっくりこちらに顔を向ける。そして、自分を真っ直ぐに見つめ言った。
「明後日の土曜、彼女を家に呼んだから。会ってくれない?」