一つの夜が紡ぐ運命の恋物語を、あなたと
 保育士という職業は、イメージが先行していて、なかなか本当のところを知る人は少ないと感じる。自身や身近に保育園に通う子がいたり、保育士がいたりするなら話は別だが、そうでなければ、楽で簡単な仕事だと思われている節がある。
 実際由依も、保育士ではない友人から『毎日子どもと遊んで楽しそうだね』と言われたことがある。それは違うと言い返せればよかったが、『結構体力いるんだよ』と当たり障りのないことしか言えず、自分に対して悔しい思いをしたこともあった。

 興味があると言ったが、大智はきっと社交辞令で尋ねたのではないと思う。知りたいと、ちゃんと思ってくれている。そう感じて、由依は面白くはないだろう保育士の日常を話し出した。

「――こんな感じで毎日過ぎていってて……。気力も体力もいる仕事だなって、日々感じてます。もちろんやりがいはあるし、子どもたちの笑顔には癒されているんですけど」

 由依はポツポツと時間をかけて話をした。それを大智は、静かに、真剣に聞いていた。

「そう……。頑張ってるんだね」
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