一つの夜が紡ぐ運命の恋物語を、あなたと
 由依は手を持ち上げ、大智の頰に流れる汗を拭うようにそっと触れた。大智は微笑みを浮かべその手に擦り寄った。

「大智さんも……つらい、ですか?」

 正直に言えば、自分自身もかなりつらい状況だ。中に入っているそれは、動きを止めようが痛みを伴い隘路を押し広げ続けているようだった。それにきっとまだ奥には届いていない。これからもっと先まで、この感覚が向かってくるのだ。
 けれど大智もまた、眉を顰めてつらそうな表情をしていた。男性はただ快感だけを拾っているのだと思っていた。だからは由依は尋ねてみたのだ。
 大智はそれを聞いて表情を緩め、少しだけ笑う。

「つらくはないよ。……我慢するのは大変だけど」
「……我慢?」

 キョト、とした瞳を向ける由依に、大智はまた笑う。
 いちおう知識はあるが、経験はない由依には、大智が何を我慢しているのか結びつかないらしい。大智はそれが、由依らしいと言わんばかりの表情を見せていた。

「由依が良すぎて……。一人で()くのは、さすがに恥ずかしい」
「…………。えっ?」

 良すぎるなんて言われ、目を丸くしている由依の髪を優しく梳かすと大智は続けた。
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