一つの夜が紡ぐ運命の恋物語を、あなたと
「ごめんね。由依はきっと痛いだろうに……」

 申し訳なさそうに謝る大智に首を小さく振ってみせる。

「これくらい、どうってことないです。それに……」

 さっきは気持ち良かったです、と言いかけて、恥ずかしくなり顔を紅潮させながら目を逸らす。それにまた、大智は笑みを浮かべた。
 額に唇が降ってきて押し付けられると、そのままゆったりとした大智の声が響く。

「良かった。僕だけ良くても意味がないしね」

 そんな会話をしているうちに、大智はゆっくりと進んでいたらしい。圧迫感が強くなってくるが、不思議と痛みはさっきほどではなかった。
 お腹の奥に芽生えたピリピリとした電流は体中に散っていく。酸素を求めるように口を大きく開けると、そこからは熱い息と、自分じゃないような淫らな声が漏れた。
 もうこれ以上は挿入らない、感覚的にそう思っていると、大智は動きを止める。瞳を少し開け大智を見ると、艶やかな顔を歪め、色気のある息を吐き由依を見つめていた。

「約束、して……。僕の前から消えないって……」
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