一つの夜が紡ぐ運命の恋物語を、あなたと
「‼︎」

 パチリと目蓋が開くと、眩いばかりの光が目に飛び込んできた。窓に下がった薄い紗のカーテンの向こう側は、もうすっかり明るくなっていた。

「あ…………」

 思わず声を出す。
 昨日は帰ろうと思っていた。なのに行為が終わったあとの記憶がほとんどない。気遣うように大智に話しかけられていた気がするけれど、それに自分がちゃんと答えたのかも覚えていない。答える間もなく意識を失うように眠ってしまっていた。
 どうしよう。今からでもそっと帰ったほうがいいのだろうか、とグルグル考えていると、後ろから伸びた腕に閉じ込められた。

「目は……覚めた?」

 頭の後ろから少し気怠そうな大智の声が聞こえた。振り返ることもできず身を縮ませると、自分がまだ何も纏っていないことに気づいた。

「あっ……の。おはよう……ございます」

 何を言っていいのか思いつかず、当たり障りなく小さくそう言うと、大智は抱きしめた腕により力を込めた。

「おはよう。先にシャワーを浴びておいで。朝食は部屋で取ろう。洋食と和食、どっちがいい?」

 それに『帰ります』なんて言い出せず、由依は「じゃあ……洋食で」と答えるしかなかった。
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