一つの夜が紡ぐ運命の恋物語を、あなたと
反対側に空きを見つけて二人で座る。すでにプールにはイルカたちが泳ぎ回っていた。
「由依はこういうショーって見たことある?」
「ずいぶん昔ですけど、別の場所では。イルカだけじゃなくて、シャチもいました」
あれは小学校の低学年くらいだったはずだ。両親が車で連れて行ってくれた水族館は海の近くにあった。初めて目の前で見るシャチやイルカに、由依は口をポカンと開けて釘付けになっていたらしい。終わったあと放心状態だった自分を見て、両親が笑っていたのを思い出した。
「シャチまで? 凄いね。僕は初めてだ。水族館自体も、小学生のとき遠足で行ったきりだし」
「ご家族とは……行かなかったんですか?」
ついそんな質問を投げかけてしまい、ハッとする。世の中にはさまざまな家庭があることを、保育士として働いていて知っているはずなのに。
「両親は忙しい人たちだったからね。それに周りからは、遊ぶ暇があるなら勉強していなさいと言われていたし」
ごく当たり前のように大智は答えるが、どこか寂しそうにも見える。そういえば昨日の居酒屋で、大智は弁護士になりたくてなったわけじゃないと聞いたことを思い出した。
「由依はこういうショーって見たことある?」
「ずいぶん昔ですけど、別の場所では。イルカだけじゃなくて、シャチもいました」
あれは小学校の低学年くらいだったはずだ。両親が車で連れて行ってくれた水族館は海の近くにあった。初めて目の前で見るシャチやイルカに、由依は口をポカンと開けて釘付けになっていたらしい。終わったあと放心状態だった自分を見て、両親が笑っていたのを思い出した。
「シャチまで? 凄いね。僕は初めてだ。水族館自体も、小学生のとき遠足で行ったきりだし」
「ご家族とは……行かなかったんですか?」
ついそんな質問を投げかけてしまい、ハッとする。世の中にはさまざまな家庭があることを、保育士として働いていて知っているはずなのに。
「両親は忙しい人たちだったからね。それに周りからは、遊ぶ暇があるなら勉強していなさいと言われていたし」
ごく当たり前のように大智は答えるが、どこか寂しそうにも見える。そういえば昨日の居酒屋で、大智は弁護士になりたくてなったわけじゃないと聞いたことを思い出した。