壊れてしまった宝物
理沙の返答も聞かず、律に腕を掴まれて引っ張られていく。保育園の奥にある会議室に理沙は連れて行かれた。遠くから子どもたちの楽しそうな声が聞こえてくるものの、会議室の声は庭まで届くことはないだろう。
「先生、お話って?」
いつもと様子が違う律に少し戸惑いながら理沙は訊ねる。律は暗い顔でブツブツと何かを呟いていた。
「先生?」
理沙がもう一度声をかけた時、体に衝撃が走り、理沙の目の前は真っ暗になった。
「ううっ……」
理沙の意識が少しずつ浮上していく。理沙は体を動かそうとしたものの、ギシッと軋んだ音がしただけで体は全く動かない。そのことで一気に覚醒し、理沙は自分の状態に驚いた。
理沙の体は椅子に座らされ、その体には縄が巻き付けられ、椅子から立ち上がれないよう縛り付けられていた。
「な、何これ!」
理沙が目を前に向けると、そこは保育園の会議室ではなく、見知らぬ倉庫のような場所だった。埃っぽく、ツンと独特の匂いが鼻をつく。薄暗い中、理沙は必死に首を動かした。空がいないためである。
「先生、お話って?」
いつもと様子が違う律に少し戸惑いながら理沙は訊ねる。律は暗い顔でブツブツと何かを呟いていた。
「先生?」
理沙がもう一度声をかけた時、体に衝撃が走り、理沙の目の前は真っ暗になった。
「ううっ……」
理沙の意識が少しずつ浮上していく。理沙は体を動かそうとしたものの、ギシッと軋んだ音がしただけで体は全く動かない。そのことで一気に覚醒し、理沙は自分の状態に驚いた。
理沙の体は椅子に座らされ、その体には縄が巻き付けられ、椅子から立ち上がれないよう縛り付けられていた。
「な、何これ!」
理沙が目を前に向けると、そこは保育園の会議室ではなく、見知らぬ倉庫のような場所だった。埃っぽく、ツンと独特の匂いが鼻をつく。薄暗い中、理沙は必死に首を動かした。空がいないためである。