壊れてしまった宝物
「あの!よければ今度、一緒に食事に行きませんか?息子さんも連れて」
「えっ……」
「オムライスのおいしい店があるんです。息子さんもきっと気に入ると思います!」
「えっと……」
理沙が戸惑っていると、「返事は後日でいいので」と男性は言い去って行った。異性に食事に誘ってくれたのは、律とその男性だけである。胸がギュッと締め付けられる感覚を覚えた。
(恋なんてしている暇はない。でも、何だか嬉しいな……)
嬉しさを覚えながら、理沙は保育園へと自転車を走らせる。いつも通りうさぎ組の教室の前へ向かった。
(あっ!空いた!)
教室で空が友達と遊んでいるのが見えた。しかし、普段は教室にいるはずの律が何故かいない。不思議に思っていると、「木下さん」と背後から声をかけられる。驚きながら振り向くと、そこに律はいた。しかし、その顔にいつもの笑みはない。
「先生、どうして外に?珍しいですね」
「ちょっとよろしいですか?お話があります」
「えっ……」
「オムライスのおいしい店があるんです。息子さんもきっと気に入ると思います!」
「えっと……」
理沙が戸惑っていると、「返事は後日でいいので」と男性は言い去って行った。異性に食事に誘ってくれたのは、律とその男性だけである。胸がギュッと締め付けられる感覚を覚えた。
(恋なんてしている暇はない。でも、何だか嬉しいな……)
嬉しさを覚えながら、理沙は保育園へと自転車を走らせる。いつも通りうさぎ組の教室の前へ向かった。
(あっ!空いた!)
教室で空が友達と遊んでいるのが見えた。しかし、普段は教室にいるはずの律が何故かいない。不思議に思っていると、「木下さん」と背後から声をかけられる。驚きながら振り向くと、そこに律はいた。しかし、その顔にいつもの笑みはない。
「先生、どうして外に?珍しいですね」
「ちょっとよろしいですか?お話があります」