再縁恋~冷徹御曹司の執愛~
「海外出張から戻れば退職願だけを残して逃亡。両親には詳細を告げず疎遠」


「どうして、知ってるの……?」


「どれだけ捜して、調べたと思う? 全部教えようか?」


不機嫌さの交じる声に首を横に振る。


「……突然いなくなって、俺がどんな思いをしたと……!」


伸びてきた両腕にギュッと抱え込まれた。

小刻みに震える肩に、かける言葉が見つからなかった。

今日の短い時間の中で今まで目にしたことのない姿を見て、初めて本当の惺さんの心に触れた気がした。

同時に、もう逃げられないと確信した。

お互いの今の想いを告げて、確認しあったわけじゃない。

それでも今は、素直に過去の話をしなければと思った。


「……なんで、逃げた」


私の肩に額を乗せた彼が、暗い声でもう一度問う。

息を吸い、覚悟を決めて舘村さんに会ってからを遡って話した。

彼はそのままの体勢で黙って聞いていた。

春香さんや私の仕事の話には幾つかの質問をされた。

惺さんの説明の最中、春香さんにこの状況を伝えなくてはと思い立った。

スカートに入れていたスマートフォンを取り出す。
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