再縁恋~冷徹御曹司の執愛~
「……ずっと私を捜して、あきらめずにいてくれてありがとう」


涙交じりの声で伝えると、小さく首を横に振って優しい微笑みを向けてくれた。

その後、ふたりで婚姻届を提出し、受理された。

親切な市役所の人が撮ってくれた写真には、泣き笑いのような私が映っていた。


「最高の思い出だな。これからもよろしく」


「よろしく、お願いします」


ふたりで言い合うと、自然に笑みが零れた。

市役所を出た惺さんは私を店まで送ってくれ、ふたりで春香さんに入籍の報告をした。


「結婚おめでとう。幸せにね……といっても、今さらかもしれないけれど」


「いえ、ご配慮いただきありがとうございます。希和と悟己と幸せな家庭を築けるよう努力します」


「春香さん、本当にありがとうございます……頑張ります」


私の様子になにかを感じたのか、よかったわねと手を握ってくれた春香さんの温かさに落ち着いたはずの涙が再びあふれそうになる。


「結婚はいつ公表するの?」


「過去の件もありますし、私としてはできる限り早く発表したいと思っています」


「そうね、世間に知られたほうが牽制にもなるし……でも変な輩に絡まれる可能性もあるし気をつけてね」


「はい、ふたりを全力で守ります。同じ過ちは二度と繰り返したくないので」


そう言って、惺さんは傍らに立つ私の右手を強く握りしめた。


「希和、なにかあったときはどんな些細な出来事でも隠さずに教えてくれ」


「う、うん」


返事をすると、惺さんは少し安堵の表情を浮かべて春香さんに再度挨拶をして店から出ていった。
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