再縁恋~冷徹御曹司の執愛~
後姿を見送り、仕事を再開しかけると再度春香さんに釘をさされた。


「私も注意するけど、希和ちゃんも気を抜いちゃダメよ」


「はい……私も惺さんと悟己を守ります」


母親のように心配してくれる春香さんの優しさを有難く感じながら返事をした。

春香さんに宣言したとおり、惺さんの行動は素早かった。

入籍の一週間後には、世間に私との関係を悟己の件も含め公表した。

発表までの間に、惺さんの両親のもとを初めて訪ねて結婚報告を兼ねてご挨拶をした。

入籍の件は以前から彼が伝えていたようで、温かく迎えられた。


『息子のせいでつらい思いをさせて、申し訳ない』


すべてが事後の勝手な報告ばかりでさすがにご不快なのではと戦々恐々としていたのに、ご両親に頭を下げられ慌ててしまった。


『いえ、私が惺さんに黙って逃げてしまって……』


『嫌な思いをしたのでしょう? 話は惺から聞いたけど、なんてお詫びしたらいいか……』


惺さんと目元がそっくりな義母は申し訳なさそうに言葉を続ける。


『謝らないでください。私も惺さんをたくさん傷つけたんです。でもこうして家族として迎え入れていただけて本当に幸せです』


『希和さん、ありがとう。息子をよろしくね』


『私のほうこそよろしくお願いします』


頭を下げる私に義母は優しく顔を上げて、と言ってくださった。

さらに悟己をとても可愛がってくださり、なんでもプレゼントしようとする義両親に惺さんが渋面を浮かべていた。
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