再縁恋~冷徹御曹司の執愛~
私の両親には、惺さんに頼んでまずは電話をかけた。

事情を話そうとする私を止めて、惺さんがこれまでの出来事や事情をすべて説明した。

言葉を失い、動揺し、怒りを滲ませる両親に惺さんは終始真摯に謝罪し、今後私と悟己を守り抜くと訴え続けた。

両親が私に叱責し始めると、惺さんが口を挟んだ。


『希和さんは悪くありません。すべて私の不甲斐なさが原因です。どうか私の息子をひとりで産んでくれた希和さんを責めないでください』


真剣に伝える声に胸がいっぱいになり、涙が零れた。

まだ完全に納得したとは言い切れない両親だったが、結婚を認め、祝福してくれた。


『希和、今度からはきちんと相談しなさい……一番つらいときに支えられずに悪かった』


両親に謝られ、声を出せず、見えないのに首を横に振るのが精一杯だった。

止まっていた様々な時間が今、ゆっくりと動き出したと身をもって感じた。

惺さん、春香さんや女将、杏実、たくさんの人への感謝の気持ちでいっぱいだった。

両親のもとへは後日三人で訪ねるつもりだ。

悟己の存在に驚いていた両親だが、初孫を喜んでくれて嬉しかった。

女将の店にも伺って、きちんとこれまでのお礼と改めて結婚の報告をしたい。

惺さんは特に女将に感謝を伝えたいとしきりに口にしていた。

まだスタートラインに立ったばかりだが、ゆっくり、少しずつ、温かい家庭を築きたいと心から願った。
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