再縁恋~冷徹御曹司の執愛~
入籍して一カ月近くが過ぎた。

悟己は惺さんと初対面の頃と同様に早く順応し、急に賑やかになった毎日をとても嬉しそうに過ごしている。

相変わらず多忙な惺さんだが、家族と過ごす時間をできるだけ取ろうと心掛けてくれている。

だけど幸せで穏やかな毎日が続くと、いつか大きなしっぺ返しがきそうで怖い。

いつかこの日々が壊れるのではと、怯えてしまう。

入籍後、何度か惺さんが去って行く悪夢を見た。

夜中に泣く姿に気づかれて、咄嗟に怖い夢を見たと下手な言い訳で誤魔化した。

再び気持ちも通じ合い、惺さんは努力してくれているのに、未だに過去の出来事に囚われている自分が情けない。

いつまで引きずるのかと嫌われそうで怯えてしまう。

結婚発表直後は、周囲がとても騒がしかった。

私や悟己の詳細な情報が非公開のせいもあり、ネットニュースやSNSなどでずいぶん騒がれていた。

そんな中、惺さんは神経を尖らせ、各情報を管理し、守ってくれていた。

それでもネット上では舘村家との良縁を蹴ってまで結婚するなんて、よほどのメリットがある相手なのかと勝手な推察とともに面白おかしく取り上げられていた。

改めて世間の嵯峨家への関心の高さと影響の大きさを感じた。

この婚姻は彼の望む幸せではなく、過去の責任を取るためではと不安に苛まされた。

さらに保育園の友人たちにも祝福され、馴れ初めを尋ねられた。

誤解とすれ違いがあり一旦離れていたと正直に伝えると、まるでドラマのような展開ねと羨ましがられたが、胸中は複雑だった。
< 168 / 200 >

この作品をシェア

pagetop