新人洗濯係がのぞいた秘め事~王太子の秘密を暴いた先にあるのは溺愛か死か~
王太子の部屋のシーツが血のようなもので汚れていたこと。王太子妃が痛そうに腕をさすっていたこと。その姿が暴力を受けていた近所のご夫人に重なったこと。
「私の勘違いだとは思うんですけど、気になって……」
違うよ、と笑って否定してほしかった。君の杞憂だよ、王太子夫婦はとても仲が良いんだ。
そんな返事が来ると思っていた、のに。
彼は眉を寄せ、真剣に考え込んでしまった。
「ユリック様……」
不安になって声をかけると、彼はハッと顔をあげた。
「君は優しいんだね」
目があって、恥ずかしくなってリエーヌは顔を伏せた。
「そんなことがあったなら君が心配するのもわかるよ」
寄り添う言葉に、胸はときめく。
「一緒に調査に行こう」
予想外の言葉に、息をのんだ。
「私は王太子殿下とも親しくてね。彼がそんなことをするとは思えないんだ」
リエーヌは頷く。今まで王太子の悪い噂など聞いたことがなかった。
だが、暴力を受けていた女性の夫もまた、世間の評判はとても良かった。
「彼がもし本当にそんなことをしているのなら、止めなくてはならない。止めるのもまた友人であり臣下である私の役目なのだと思う」
いつもと違う真剣な彼の顔に、思わずみとれそうになる。
「私の勘違いだとは思うんですけど、気になって……」
違うよ、と笑って否定してほしかった。君の杞憂だよ、王太子夫婦はとても仲が良いんだ。
そんな返事が来ると思っていた、のに。
彼は眉を寄せ、真剣に考え込んでしまった。
「ユリック様……」
不安になって声をかけると、彼はハッと顔をあげた。
「君は優しいんだね」
目があって、恥ずかしくなってリエーヌは顔を伏せた。
「そんなことがあったなら君が心配するのもわかるよ」
寄り添う言葉に、胸はときめく。
「一緒に調査に行こう」
予想外の言葉に、息をのんだ。
「私は王太子殿下とも親しくてね。彼がそんなことをするとは思えないんだ」
リエーヌは頷く。今まで王太子の悪い噂など聞いたことがなかった。
だが、暴力を受けていた女性の夫もまた、世間の評判はとても良かった。
「彼がもし本当にそんなことをしているのなら、止めなくてはならない。止めるのもまた友人であり臣下である私の役目なのだと思う」
いつもと違う真剣な彼の顔に、思わずみとれそうになる。