【書籍1巻発売&コミカライズ進行中】悪女の汚名返上いたします!
 ユーリスの説明に、ルーカスが補足して言った。
 
「聖女の派遣がなくなれば、聖診療所は機能しない。さらに、汚染された土地や呪具の浄化ができず、魔物が増えて領民の生活にも支障をきたす。だから、手紙を受け取った領主は、躍起になってベアトリス嬢を探し出し、王宮に連れてくると殿下は考えたのだろう。言うなれば、国内領主を巻き込んだ、全国指名手配のようなものだな」
 
(全国指名手配ですって……!?)
 
 サラッと告げられたとんでもない言葉に絶句する。

 青ざめるベアトリスを安心させるように、ユーリスが力強く言った。
 
「大丈夫。さっきも言ったが、これは大きな逆転のチャンスだ」
 
「全国指名手配されているのに……?」

「殿下は、ベアトリス逮捕と敵対派閥への制裁、どちらも達成できる良策だと思っているようだが、これは明らかに愚策だ」
 
 ユーリスがあらかじめ各所に放っていた密偵が続々と部屋に入ってきて、状況を告げる。

「ご報告いたします。ヘインズ公爵が、本日行われるはずの議会を急遽取りやめ、邸宅に滞在していたフェルナン殿下とセレーナ聖女を半ば強引に追い出しました」

「さらに、公爵をはじめとした古参貴族が一斉に、フェルナン殿下と王室に対して猛抗議を行うとのことです」

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