【書籍1巻発売&コミカライズ進行中】悪女の汚名返上いたします!
(こっちは残飯を漁りながら必死に生きているってのに、あの子はなんの苦労もせずにお気楽に暮らしている。不平等だろ? おかしいだろ? 神様なんてくそ食らえ! アイツも、あたしと同じ苦しみを味わうべきなんだ)

 この世界を創った神と不平等な社会に悪態を吐き、バレリー令嬢の不幸を祈り続けたある日。
 
 神様は唐突に、少女に贈り物をくれた。

 起きて鏡を見たら、冴えない自分の顔が、バレリー令嬢によく似た美少女へと変貌を遂げていたのだ──!

(夢みたい! やった! やった、やったわ!!)

 少女は誰にも顔を見られないよう娼館を飛び出した。
 喜びのまま街中を駆け抜け、やがて商業街の大通りに出たところで、ふと足を止める。

(あたし、どこへ行けばいいんだろう……)

 顔が変わったとはいえ所詮(しょせん)自分は自分。
 金もなければ学もない、名前すら持たない娼館の下女だ。

< 210 / 231 >

この作品をシェア

pagetop