【書籍1巻発売&コミカライズ進行中】悪女の汚名返上いたします!
 捜査に難航し、セレーナの処遇を決めかねていた騎士は、バレリー伯爵家に連絡を取った。
 すべては思惑どおり。ここまで上手くいくなんて、あたしってば天才かもと、セレーナはほくそ笑んだ。

 しかし、順調に事が運んでいたのはここまで。
 やってきたバレリー伯爵は、セレーナの顔を見て驚きはしたものの、すぐに「隠し子などいない」ときっぱり否定した。
 
「わたし、行く場所がないのです……助けてください……お父様……」

「お父様などと呼ぶのはやめよ。私は君のことなど知らない」

「そんな……」

 バレリー伯爵はなにかに気付いたようで、心底呆れた様子でセレーナを見下した。

「あぁそうか、金が目当てなんだな」

「お金……?」
 
「自らを庶子だと名乗り、利益を得ようとする輩がよく居るのだよ。まったく腹立たしく困ったものだ。ほら、金はやるから、もう二度と我が家の名を口にするな」

 伯爵は部下に目配せして少女に金を渡すと、迷惑そうな顔をして去っていった。

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