【書籍1巻発売&コミカライズ進行中】悪女の汚名返上いたします!
 内容を聞いていたユーリスは険しい表情になり、腕組みをして思案した。

 アラン殿下の婚約者にベアトリスが選ばれる……?
 
(そんなのダメに決まっている)

 焼け付く炎のように胸中で燃えさかる激情。これが”嫉妬”という感情なのか……と頭の片隅で冷静に分析しつつ、ユーリスは、アラン王子の婚約者問題に手を打つべく思考を巡らせた。

(あとはベアトリスの気持ち次第だが……アイツ、鈍感だから言わないと気付かねぇよな)
 
 初心な彼女を驚かせないように、少しずつ慎重に関係を深めるつもりだったが、もはや悠長なことは言っていられない。

 罪人として追放されていた時ならいざしらず、今やベアトリスは悪女セレーナの正体を暴いた『今代一の聖女』として人々に崇められる存在。
 
 逆境にも負けず返り咲いた姿が多くの民心を掴み、巷では大変人気になっているようだ。

 元々の可憐な容姿に加え、最近では素直になって性格も愛らしくなった。
 実家のバレリー伯爵家には無事に爵位と領地が返還され、再興済み。

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