茨の蕾は綻び溢れる〜クールな同期はいばら姫を離さない〜
陽翔が腰を限界まで進めると、彼女は白い喉を反らせて陽翔の腕を掴む。声にならない代わりに腕に爪を突き立てられたが、その時に襞が熱杭に絡みついて低い声を漏らした。

「入った、ぞ……うっ、締めんな、持ってかれ、る」

そう言って陽翔は荒く息を吐いた。こうしている間も襞は不規則にピクピクと蠢いて、陽翔の昂りを喜んで迎えている。先端は彼女の最奥を捉えており、少しだけ固めなそこをノックしたい衝動に駆られたが、すんでのところでその欲求をなだめた。女性はいきなり奥を突くと痛みを感じる場合があると、陽翔のなけなしの理性が半鐘よろしく警告したからだ。

「ねえ、陽翔……」

愛おしげに腹部を擦る彼女に陽翔は下半身が反応して目を丸くする。

「私、もう陽翔の形を覚えたよ。だから……動いて?」

「……っ! 百子っ! 覚悟しろよ」

百子のその言葉が終わるか終わらないかのうちに、陽翔は結合部を見せつけるかのようにゆっくりと腰を動かし始めた。結合部から漏れる水音がリビングを淫靡に支配し、お互いの耳にするすると侵入してくる。

(やだ、全部見えてる……)

陽翔自身を百子が迎え入れ、離れるのを繰り返している様子を見ているのは羞恥が背中を駆け上がるのだが、それ以上に自分が陽翔を受け入れていることに悦びを感じて、その悦びのまま百子は嬌声を上げ続けた。

「はっ、あっ! きもち、いい……はると……」

背中に敷かれてるシャツを掴んでいた手が離され、代わりに陽翔の大きな手がしっかりと包み込んだ。

「ほら、俺のを美味しそうに咥えてるのが丸見えだ。やらしー」

「ひゃああああ!」

熱杭はしばらく入り口付近をさまよっていたが、唐突に最奥を穿たれて百子は腰を跳ねさせる。白い奔流に攫われる直前だったために、物足りなさそうに襞がうねって熱杭に絡みついた。

「ぐっ……本当に百子は奥が好きだな。そのままイけよ」

陽翔はさらに腰を進め、百子の腰をさらに浮かせる。そして最奥をとんとんとノックするように腰をやや大きく動かした。

(陽翔……いつもよりも激しい)

悦楽の渦に幾度となく飲み込まれた百子は、一度突く毎に百子は白い雷に打たれたように身体を反らせて大きく啼き、握った手に力をこめる。彼がそれに応えるかのように、百子の手を握り返したので、百子はとろけきったその顔に笑みを無意識のうちに浮かべた。
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